先日、知り合いの弁護士の方からのご紹介で、会社経営者の
方がご相談にいらっしゃいました。内容は、本社の隣接地の所
有者の方から、当該土地の売却したいとの話があったので、そ
の購入価格をどのように決定すればよいかとのことでした。本社
敷地が手狭で、駐車場の確保もままならないとのことで、適正価
格であれば購入したいとの意向でした。
隣接地を購入して一体利用することのメリットとしては一般的に
下記の事項を挙げることができます。
・併合により一方路画地が角地や二方路等に変化する場合、利便
向上して、価格が上昇します。
・併合により間口狭小や奥行長大、不整形、地積過小等が改善する
場合には建物建築を検討する場合、利用効率の向上や設計の自由
度が向上し、価格が向上します。
・併合により前面道路の幅員が変わる場合に、基準容積率の向上や
利便性の向上により、価格が上昇します。
隣接地購入価格を鑑定評価により求める場合には下記の3つの価格
をまず求めます
イ.現在所有する土地の単独としての価格
ロ.購入予定の隣接地の単独としての価格
ハ.所有地と隣接地を一体として利用することを前提とする価格
隣接地を購入して、一体利用することによる増分価値は下記
の式で示すことができます。
増分価値 = ハ-(イ+ロ)
ここで求めた、増分価値のうち隣接地に帰属する価格を所有地と
隣接地 の総額比等により適切に求めて、隣接地価格に加算して
適正価格をもとめます。
一般に隣接地は相場の2倍でも購入しろとか言われます。しかし、
その価値はケースによって大きく異なります。不動産鑑定士に相談
して、納得のいく不動産取引をされることをおすすめします。