1.はじめに
「デフレ不況」という言葉に陳腐なイメージもあるほど、景気は
長らく低迷しております。これまで日本経済を牽引してきた大
企業の赤字決算も珍しいことではありません。ボーナスカット
どころか昇給の見送りを実施する企業も出てきており、サラリ
ーマンの方も将来の所得の増加を期待しづらい環境となりまし
た。その一方で、不動産市場を見ると、分譲マンションや分譲
戸建住宅の売れ行きは好調で、在庫が少ない状況にあり、
不動産開発業者の開発用地取得の動きが活発化しております。
過去概ね20年の間、土地価格が下落傾向にあったことと、低金
利による住宅ローンの提供等によりマイホーム購入者の意欲が
刺激されたことの影響と考えます。今後の所得の伸びがあまり
期待出来ないという中で、マイホーム購入を検討すれば、必然
的に購入価格及びそれにかかる諸費用を抑えて、住宅ローンの
借入額を出来るだけ少なくしたいということになると思います。
しかし、物の価格にはどんなものでも、相場というものがあります。
土地や建物の価格も同様です。相場より安い物件には相応の
理由があるのが普通です。ここでは、マイホーム購入者が戸建
住宅を購入するケースを対象に割安物件に関して注意する点を
解説します。