3.住環境に問題があるケース
(1) 郊外のニュータウンの戸建住宅を購入するとき、
一般に「高台、南傾斜で日照に恵まれた土地」が
良いとされています。これに対して、「低地の北傾
斜地」は敬遠されるケースが多いようです。同じ地
積の土地でも、前者と後者を比較すると、2~3割
程度の価格差が生じるケースもあります。
(2) 高台の山林に比較し、低地の田畑地は地盤が緩
いケースが多いようです。特に、埋立地については
地震による液状化のリスクが大きいので注意が必要
です。溜池を埋立てして住宅地としている場合、軟弱
地盤が懸念されるということで、周辺の住宅地より低
い価格で取引される場合もあります。
(3) 地域居住者の属性も価格に影響します。例えば、
農家集落の中の戸建住宅を購入する場合には、購入
後における地域コミュニティとの協調にハードルが
高いという理由から、割安な取引価格となるケースもあ
ります。
(4) 周辺に嫌悪施設がある場合、居住の快適性が損なわ
れることから、割安な価格で取引されるケースが多いよう
です。例えば、ゴミ焼却場や工場がある場合には環境破壊
の恐れがない場合でも、心理的抵抗感は否めないようです。
また、高圧電線や携帯電話基地についても、強風時の騒音
被害や電磁波の影響懸念から敬遠されるケースが多くあり
ます。そのほか、幹線道路の近くでは深夜でも騒音レベルが
高いケースもあり、注意が必要です。意外な嫌悪施設に挙げ
られるのが、学校です。学校は昼間の騒音レベルが高いので
小さなお子様のいる家庭等では不快度が高くなります。