終わらざる夏

   

シルバーウィークは旅行の予定もなく、自宅を中心に

読書、映画鑑賞、ラグビー観戦、スポーツクラブなど

気ままに過ごしています。先日は高校時代の友人が

名古屋から帰省しましたので、在福の友人も含めて

三人で食事をしました。ラグビー日本代表が南アフリカ

代表を撃破したワールドカップの快挙を肴に祝杯を挙げ

たり、昔話など話題は尽きませんでした。しかし、これま

でと違って、安保法制の今回の見直しに話題が向いた

のは意外でした。安保法制の見直しに象徴される社会

の変化にそこはかとない違和感を、多くの人が感じている

ことを実感しました。

浅田次郎の「終わらざる夏」の文庫本を購入し、この連休

に上中下3分冊を読破したところです。舞台は北千島の

国境の島、占守島において終戦直後にソ連との戦闘に

至る過程を中心とします。英文翻訳をなりわいとする出版

会社員の45歳の中年男に徴兵の命令が下るところから

始まります。とまどう中年の初年兵、中国戦線の伝説の英雄

である軍曹、徴兵に非協力な帝大医師、集団疎開の児童

退役間近の軍人、少年兵、スターリンに迫害されたコサック

出身のロシア将校、徴兵のために刑務所を釈放された極道

など様々な視点から、太平洋戦争最後の悲劇的戦いが描か

れています。登場人物が錯綜して、まとまりを欠いたところも

ありますが、戦争を改めて考えるうえでは、非常に参考になる

と思います。

安保法制の改正が、戦争を回避するものとなることを願って

います。

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