4月9日に福岡市で開催された「第63回ゴー宣道場」に参加しま
した。この会は漫画家の小林よしのり氏が主催し、様々な社会問題
を議論し、ネットを通して社会に情報発信しているとのことです。
私は10代のころ、小林よしのり氏の初期の代表作「東大一直線」を
愛読していましたので、小林氏の活動にはずっと注目してきました。
豊富な読書量と取材力、分析力に裏付けされた発言はこれまでも
オーム真理教、薬害エイズ等の問題の解決に大きな力となってきた
ことは周知の事実となっています。
今回は近年取り組んでいる「天皇制」の問題を取り上げていました。
一部はパネルデスカッション、二部は参加者との質疑応答という構成
でした。パネラーは生前退位の要件に天皇の意思を加えたこと等に
肯定的評価を与え、この骨子に民進党が大きな役割を果たしたことを
賞賛していたことにややびっくりしました。
女性天皇制の導入を主張するあり方には大きな違和感を感じました。
確かに、論理的には皇室維持の観点からは、女系天皇の誕生を期待
することに異存はありません。20年前であれば私も賛成したと思います。
しかし、現在の女性皇族は全員が15歳以上です。たとえば、愛子様が
天皇の位につくことを想定すると、とても現実的ではないと思うのです。
天皇の地位はあくまで宿命として受け入れるもので、その過酷な立場は
大きく人権が制約されるとともに、強い精神力が必要とされるのです。
愛子様に私たちの理想を押しつけるのは、あまりに酷いのはないかと
思います。現在の女性皇族は人生をかけて皇室を担う覚悟も準備もない
と思いますし、それを強制すれば悲劇的ではないかと思います。
私は皇室を信頼し敬愛しています。皇室は日本人の心の支えと考えて
います。しかし、この二十年を振り返ると、特に皇太子家はその役割を
果たすために、苦悩しているのではないかと思えてなりません。皇太子家
からは、幸福感よりも悲壮感を感じていることが国民のひとりとして懸念
しています。